院長インタビュー

インタビュー

先生が得意とされる治療分野について教えてください。

先生が得意とされる治療分野について教えてください。

私は特定の分野に偏ることなく、オールラウンドな診療を心がけています。歯科医師として、得意・不得意があってはならないと考えているからです。例えば、プロのサッカー選手が右足ではドリブルできても左足ではできないというのは致命的ですよね。同様に、歯科医師も「神経の治療が苦手」や「入れ歯治療が不得意」ではいけないと思っています。プロとして、あらゆる治療に対応できることが理想です。

ただし、矯正治療やインプラント手術に関しては、基本的な治療は自分で行いますが、専門技術が必要な場合には、非常勤の専門医に依頼しています。高度な技術が求められるケースも多いため、適切な対応が必要です。それ以外の治療については、歯科医師として基本的な診療と考えていますので、特定の分野に絞ることなく幅広く対応しています。これは、以前勤務していた歯科医院で受けた教育の影響も大きいですね。

以前の勤務先について教えてください。

以前の勤務先について教えてください。

大学卒業後、梅田にある大規模な歯科医院に勤務しました。十数軒の歯科医院を訪問し、その中で最も魅力を感じたのがその医院でした。どの先生も患者さまのことを第一に考え、真摯に治療に向き合っている姿勢が伝わってきたからです。また、ベテランの先生方が実践する治療は革新的で、とても学びが多い環境でした。

特に「咬合再構成」という、噛み合わせを根本から作り直す治療に取り組んでいました。当然、最初から高度な治療を任されるわけではなく、段階を踏んで一つひとつ学びながら修行を積みました。また、「歯科医師と歯科技工士は対等な立場である」という考え方に触れ、それまでの固定観念が覆されました。そのおかげで、歯科技工士の方々とも密に連携しながら学ぶことができました。17年間その医院で勤務し、担当患者さまの長期的な経過を見る経験を積めたことが、開院するうえで大きな財産になったと感じています。

先生の治療方針について教えてください。

先生の治療方針について教えてください。

治療の進め方はケースによって異なります。一本ずつ治療する方が適している場合もあれば、一度に全体を治す必要があることもあります。例えば、小さな虫歯なら部分的な治療で済みますが、かぶせ物の不具合によって噛み合わせが崩れている場合は、一本ずつ治療しても根本的な解決にはなりません。

そのため、必要な部分をまとめて仮歯に置き換え、プラスチック製の歯でしっかり噛める状態に調整したうえで、最終的なかぶせ物へと移行する方法をとることがあります。何度も調整を重ね、「これならしっかり噛める」という状態になった段階で最終補綴を行います。機能を重視しすぎて見た目が損なわれるのも、逆に見た目を優先しすぎて機能が不十分なのもよくありません。そのため、両者のバランスを考えながら治療を進めます。特に、仮歯の状態で様子を見る期間をしっかり確保し、患者さまと納得のいく形に調整することを大切にしています。

患者さまとの接し方で大切にしていることはありますか?

患者さまとの接し方で大切にしていることはありますか?

私が大切にしているのは、患者さまの気持ちを置き去りにしないことです。「どんどん治療を進めましょう」ではなく、「次のステップはこうですが、どうしますか?」と確認しながら進めるようにしています。初診時は、患者さまにとって私は初対面の存在ですから、すぐに信頼していただくのは難しいでしょう。そのため、まずは安心して相談できる環境を作ることを意識しています。

最近は、セカンドオピニオンやサードオピニオンが一般的になりつつありますので、相談だけでも気軽に来ていただければと思います。また、「自分がされて嫌なことは患者さまにもしたくない」という考えをスタッフにも共有し、治療中の痛みを最小限にするのはもちろん、口元に触れる際もできるだけ優しく配慮するよう伝えています。 治療期間についても、「このくらいの期間がかかりますが、大丈夫ですか?」と確認しながら進め、途中経過を「あと3回くらいです」「全体の半分まで来ましたよ」とお伝えすることで、患者さまのモチベーション維持にも努めています。もし治療に疲れが見られる場合は、1カ月や3カ月の休憩を提案することもあります。

患者さまに求めることや、知っておいてほしいことはありますか?

患者さまに求めることや、知っておいてほしいことはありますか?

現在の治療内容や今後の方針について、患者さま自身にもぜひ理解していただきたいと思っています。中には「説明は不要なので、最善の治療をしてください」とおっしゃる方もいますが、ご自身の歯にもっと興味を持ち、一緒に治療について考えていただけるとうれしいですね。その方が、治療に対する意識やモチベーションも変わってくると思います。

私は、最終的な仕上がりのイメージを持ちつつも、それを押しつけるのではなく、複数の選択肢を提示したうえで患者さまに選んでいただくようにしています。しかし、どうしても決められない場合には、「私が自分の親や兄弟に勧めるとしたら、こちらの治療を選びます」といったアドバイスをお伝えすることもあります。長年の経験を通じて、患者さまが迷っているタイミングを察し、適切な助言ができるようになったと感じています。